Dreams21:有限会社いたか・中小企業診断士 位高節雄
企業の情報化支援・有限会社いたか
        
日本語データベースシステム桐での開発のお手伝い


コンピュータ化に王道なし!

★「このソフトを導入すればうちのシステムは万全!」 なのだろうか?

 
 コンピュータ化するということは、会社の業務処理をコンピュータとそのソフトを利用して行うということですが、当然ながら以前の業務処理とはやり方が異なります。それも大きく異なる場合が多いですね。でも人は誰でも環境の変化を嫌います。(特に仕事の場合は!) ここに新しいソフトを導入して、「さあこれでやってください」と言ってもなかなか一筋縄ではいきません。さらにそこにソフトウェアのバグ(不良)やシステム自体の問題点がからんでくるのでなおさら大変です。うまくいきません。
 ソフトを開発する立場ではソフトウェアが完成して運用が開始されると「システムの開発は終了!」と感じてしまいますが、会社としてはこのソフトウェアが完成した時点が実は「システム開発のスタート」なのです。最初からパッケージ化されたソフトウェアを導入する場合もほぼ同様のことが言えます。
 ソフトウェアを導入(あるいは開発)し、運用を開始するにあたり、「なんとなくそのソフトを使い始める」のではなく、会社として「そのソフトを使って業務を行う」ということを明言する必要があります。一斉に皆がそのソフトを使って業務を行うようにする必要があります。これが結構難しいことなのです。やり方がわからない、面倒だなど、種々の理由をつけて新しい方法に抵抗してしまいます。廻りの人を説得し、ソフトを修正し、運用方法を見直すなど数々の努力の後に確たるシステムが確立してきます。このときこれらの泥臭い努力を行うべき中心人物の存在が大きなキーポイントになります。できれば社長自らが望ましいのですが、ある程度社内で権限のある人の存在が必要となります。ここがすっきりしないと「動かないコンピュータ!」になってしまう可能性が高くなってきます。

 ただし、この話は経理用ソフトウェアやCADあるいは宛名印刷ソフトなど部分的な業務や特殊用途のソフトなどに関しては当てまりません。あくまで会社全体としてのシステムを動かすためのソフトです。


★コンピュータは道具、動かすのは人


 よく聞く言葉として、「コンピュータが計算をした」というものがあります。でも、そろばんや電卓で計算するのと同じで、電卓が計算をするわけではありません、人が電卓で計算をするのです。コンピュータ(とソフトウェア)も同じです。コンピュータが受注管理などできるわけがありません、コンピュータが在庫管理などできるわけがありません、やるのは全て人です。
 ところがここが誤解されることが非常に多いのです。「新しいコンピュータとソフトを導入した、これで在庫管理はばっちりだ!」などと期待してしまったら大間違いです。担当者に在庫を管理する意思がないのにコンピュータだけで管理できるはずがありません。このときの人の言い分は、「このソフトは不良品だ!」。あくまでコンピュータは機械です。機械が人間を管理するなどという恐ろしい話などあってほしくもありません。コンピュータという道具を使って人が管理あるいは業務を行うのです。(もちろんコンピュータやソフトに不良があることはよくある話ではありますが・・・)


★コンピュータはシステムの一部

 業務のシステムは、誰がどのように受注をして、いつどのように製造手配をして、材料不足などの事態にどう対処して、・・・ などといった一連の業務の流れの話であり、人を中心とした指揮命令系統が中核となるものです。その中でコンピュータにできる部分(複雑な計算など)はコンピュータで計算しようというだけのことです。
 ところがコンピュータが(特に以前は)非常に高価だったことや、人間にはとてもできない計算までやってしまったため、コンピュータが神様のように見えてしまったんですね。言われたとおりにコンピュータに入力していれば原価管理でも、在庫管理でもコンピュータがやってくれると信じてしまいました。そこに落とし穴があったのです。
 ということで、コンピュータシステムを導入するということは、業務処理を担当する人々の業務処理の意識を改革するというに等しいものです。だからこそコンピュータシステムを導入するということは粘り強い努力を必要とするわけです。

★小さく産んで大きく育てる

 この言葉は他でも聞いたことがあると思いますが、コンピュータシステムの導入に関しても同じことが言えます。特にコンピュータシステムの経験が少ない場合は、いろんな機能をシステムに持たせようとしてしまいます。気持ちは分かりますが欲張ればそれだけ種々のハードルが高くなります。
 なるべくなら当初のシステムは小さな部分から初めて業務処理に組込み、徐々にコンピュータシステムを大きくしていくといったほうが自然に無理なくコンピュータ化し、業務処理とマッチしたコンピュータシステムを作ることが可能となります。

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